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2010年3月

2010.03.24

グラン・トリノ

昨年、とても評判の高かった映画。まだ上映しているところを求めて、少し遠くのミニシアターまで行って見た。この作品は、ベトナム戦争後、アメリカに移住したモンのコミュニティと頑固一徹の白人の異文化接触が一つのテーマだということに興味を持って見に行きました。

モン族というのは、モン・クメールのモンではなく、日本ではミャオ族と呼ばれることの多いタイ・ラオス・中国南部に住む人々(H'monと綴るらしい)のこと。東南アジアの人というと、なんとなく、私たちはベトナム人、ラオス人と国名でひとくくりにしがちだけど、そうではない民族のアイデンティティがある。

お話の方は、まさにクリント・イーストウッドらしい老兵の美学に貫かれているわけだが(ここではあえてストーリーへの論評はしない)、自らの息子や孫よりも、亡き妻が信仰していた教会の神父よりも、いままで毛嫌いしていたアジア人に心安らぐさまなどの描き方がとてもよかった。
隣人の姉弟、英語を一言もしゃべらないおばあちゃん、モンのシャーマンなども魅力的に描かれていました。
モンの食べ物もおいしそうでした。

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2010.03.18

劔岳 点の記

監督:木村大作 原作:新田次郎 出演:浅野忠信、香川照之、仲村トオル、夏八木勲、役所広司(2009)

明治時代の日本地形図作成のための測量に懸ける男たちの物語。
よりよい地図を作るためには、標高が高く、見晴らしのよい標準点を設定することが必須であり、劔岳の山頂がその候補地として選ばれる。
測量士の芝崎芳太郎(浅野忠信)が劔岳の下見のため富山の駅に降り立つと、ホームの上で待ちかまえていた地元の案内人、長治郎(香川照之)に声をかけられる。
背負子姿の長治郎にどこからともなく場内から笑い声が。 大河ドラマ「龍馬伝」で、香川照之演じる岩崎弥太郎が、土佐で鳥かごを背負って売り歩くシーンを思い出してしまったんですね。
今回も弥太郎、いや、香川照之は主役を食う好演でした。

この他にも役所広司、小沢征悦、仲村トオル、笹野高史、國村隼と、最近の日本映画、ドラマでおなじみの俳優さん揃いの贅沢なキャスト。

でも、主役は劔岳なんだろうなあ。
まだ日本の山でこんな景色が見られるのだろうか。
とにかく、こんなすごい山の上でほんとうに撮影したというのがすごい。
ロケーションの迫力に比べ、ストーリーはわりとシンプルな気がしました。
測量士たちと日本山岳会の小島烏水との確執もけっこうさらりと和解するし、
なんか不吉な雰囲気を漂わせた松田龍平も九死に一生を得て生還するし。

最後に、原作が新田次郎だったことを知ったのですが。
亡父が新田次郎の山岳小説が好きだったので、私も父の蔵書から何冊かは読んでいました。
でも、この「点の記」は読んだことがなかったな。
山に登ると、山頂に標石が埋め込まれているところがよくあります。
今度、そういうところに立ったら、明治時代以来、地図作りのために山々に登ってこんな標石を立てた人たちのことを思い出すことでしょう。

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