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2009年10月

2009.10.15

ゼロの焦点

今年は太宰治の生誕100周年であると同時に松本清張の生誕100周年でもあり、どちらの作品もこぞって映像化されている。松本清張のこの作品も、太宰の「ヴィヨンの妻」とならんで近く映画が公開されるものの一つ。主演女優たちの写真(広末涼子、中谷美紀、木村多江)が帯につけられた文庫本が平積みになっていて、つい手に取った。
 松本清張の本は、ずっと昔に何冊も読んだのだが、もうあらかた忘れてしまった。この本は、読み始めたときにほとんど記憶がなかったので、たぶん、読んだことがなかったのだろう。ところが、半分くらい来たところで、その後の筋がほぼわかってしまった。どうやら、ドラマ化されたのを見たことがあったようなのだ。Wikipediaを見てみると、1983年に放映されたバージョンのようだ。他のキャストは覚えていないのだけれど、大谷直子が出ていたことはうっすらと思い出せるから。

 こういったミステリーで筋書きを書いても仕方がないので、そうでないところの感想を書こう。
 作品の時代設定は昭和32、3年頃。主要登場人物の年齢はほぼ私の両親の世代に当たる。この作品を読んでいて感じるのは、この時代の空気と、今とはきわめて異なる時間感覚、人間関係などである。やはり、今から50年前となると、もう現代の話というよりは、異次元というか古典の世界に近い。けれど、文章に力があるからどんどん読めるのだ。

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