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2009.04.03

キャラメル

 レバノン・フランス映画。ナディーン・ラバキー監督・脚本・主演。
レバノン映画というだけでちょっと心ひかれたし、群像劇というスタイルも好み。傑出したヒロイン・ヒーローの恋愛や活劇より、いろんな人のいろんな人生がかいま見えるというのが好きである。
 キャラメルというのは、中東でおこなわれているキャラメルを使った脱毛法からきている。冒頭のシーンは、グラニュー糖を鍋で熱して、水を加え、ねっとりと飴状にしてく過程のアップ。そのキャラメルがまだ熱く柔らかいうちに皮膚に密着させ、勢いよく剥がすと、毛が抜けるわけですが、見るからに痛そう。
 舞台はベイルートのビューティ・サロン。そこで働く美容師、顧客、隣人など、いろんな世代にわたる女たちのそれぞれの事情。イスラム教徒もいればキリスト教徒もいるレバノン。日常会話にもアラビア語の他にフランス語が混じる。
 とびきりおしゃれなサロンであることを売りにしているのに、店の名前の「Si Belle」の看板からBの文字は落っこちかかっているし、あちこちにユーモラスな場面を散りばめて、内戦に揺れるレバノンのイメージはほとんどない。
 いろんな女のいろんな人生を描き出している中に、次第に年をとって容姿が衰えつつもオーディションを受け続ける元女優のジャマルとか、ほとんど呆けてしまい、道端の紙くずを拾っては「恋人からのラブレター」と信じるリリー、リリーの妹で仕立屋のローズなどを登場させる。

 いつも通ってくる謎の美女のお目当てが、ボーイッシュな美容師だったり。主人公は不倫中。不倫相手に会うために車を違法駐車したりするが、その地区を巡回するおまわりさんは彼女に恋をしている。仕立屋のローズに求愛する老人。どうってことない筋書きかもしれませんが、面白かった。
 そして、この中東地方独特の脱毛って、ほんとうに全身の毛を抜くんですね。そのことに着目した面白いレビューを読みました。

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