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2006.01.30

メゾン・ド・ヒミコ

犬童一心監督の昨年の話題作。
塗装会社のOLとして働く沙織(柴崎コウ)は、若い青年春彦(オダギリジョー)の訪問を受ける。沙織の父(田中泯)は、かつて妻子を捨てゲイバー「卑弥呼」を経営、今は自らが建てたゲイのための老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」で人生最後の日々を過ごしていた。卑弥呼の現在の恋人である春彦は、末期ガンの彼のために、沙織にそこで働くよう頼む。金目当てもあり、しぶしぶ引き受ける沙織。女装し、女言葉で楽しげに暮らすゲイたちに、初めは違和感を隠せなかった彼女だが、次第に住人たちと心を通わすようになり、むしろ、彼らに向けられる世間の目に強い反発を覚えるようになる。生と老いと死、血縁によらない家族的関係、いつも異性に向けられるとは限らない性愛などを声高にではなく、じわーっとしみ込むように見せるシナリオが秀逸でした。
マイノリティへの偏見は、知らないことから生まれる。初めはメゾン・ド・ヒミコに住む老人たちを襲撃の対象としてた中学生たちが春彦に完膚無きまで懲らしめられ、その後、実際に中に入ってきて仕事を手伝い、自ら変わっていくところなど。孤高の人、卑弥呼を演じる田中泯が圧倒的な存在感を見せる。メゾンの個性的な住民たちも肩の力の抜けたいい演技。沙織のスケベな上司を西島秀俊が好演。そしてメゾン・ド・ヒミコの建つ海辺の風景。物語のイメージにふさわしい、とても絵になる場所でした。

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