クジラの島の少女
ウィティ・イヒマエラ著。
映画化されて一躍有名になった作品。私も映画を見てから読んだのだけれど、映画と原作、それぞれ別のよさがある。
大きな違いは、原作の方では、主人公の少女の名前が違うことと、少女の父は外国には行かなくて、少女と近い関係にある叔父がオーストラリアやニューギニアに行くところ。とくに、ニューギニアでの体験、親友だと思っていた白人による有色人種差別に激しいショックを受けて、民族意識に目覚めるところなどはとても重要だと思うけれど、映画は民族意識の強さを描きながらもそういう白人との対立軸を弱めていた。唯一あるとしたら、少女の父が、ヨーロッパ人の妻を連れて帰るところか。
翻訳で一ヶ所だけ気になったのは、フラックスを「亜麻」と訳していること。こう書くとヨーロッパの繊維植物アマを原料としたリネンの意味になってしまうけれど、ニュージーランドでフラックスというのは、別名マオリアサとも言う似ても似つかぬ単子葉植物だから。
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