2010.01.15

ディア・ドクター

昨年のキネマ旬報ベストテンで日本映画のベストワンに輝いた作品。「ゆれる」の西川美和監督。
真っ暗なたんぼ道の中で何やら捜索に走り回る人々・・・どうやら、村の診療所の医師が失踪してしまったらしい。警察の捜査が始まり、捜査の過程でその医師の人となり、経歴、なぜ失踪しなくてはならなかったのかが時を遡るようにして、徐々にあきらかになっていく。
 数ヶ月前、高齢化の進んだ農村の診療所に都会の大学を出た研修医相馬(瑛太)がやってきた。診療所の医師伊野(笑福亭鶴瓶)は村人の信頼厚く、大竹看護師(余貴美子)とともに日夜診療にあたっている。しかし、その医師の言動はというと、最新の医学を学んできた若き研修医には腑に落ちないところもあった。だが、彼の献身的な診療活動と気さくな人柄に相馬自身もこれぞ医の原点と惹かれていく。なかなか診療をうけたがらない住民、かづ子(八千草薫)を往診で診察し、彼女が重篤な病気である可能性を知る。しかし、彼女は自分がもしも不治の病であるとしても、医師となっている自分の娘には知られたくないとも漏らし、伊野は彼女にあるウソをつき通そうと画策したのだが。

» 続きを読む

| | コメント (0)

2009.12.31

2009年に見た映画へのリンク

2009年はあまりたくさんの映画は見られませんでした。 K-21怪人二十面相・伝...

» 続きを読む

| | コメント (0)

2009.12.12

竹筒飯のもう一つのタイプ

竹筒飯をキーワードに画像検索すると、たくさんの写真がヒットする。
漢字がキーワードのためか、台湾の写真が多いが、中国南部の少数民族地帯のもある。
台湾の場合、圧倒的に「先住民族の伝統料理」という扱いで観光地で売られている事例だ。少ないながら、日本や韓国の例も。日本や韓国で料理屋さんで出している竹筒飯は、細長い竹筒で炊いたものというより、太い竹筒をカップのように切って容器としている茶碗蒸し風のもの。台湾にもこの茶碗蒸しタイプの竹筒飯があった。
Photo_3Photo_4


» 続きを読む

| | コメント (0)

2009.12.11

竹筒飯

2年前の12月のタイ。
首都バンコクから東部にある農業関連の研究機関に向かう途中、道端で竹筒飯を売っていた。車を止めて、いくつかを買い求めた。
竹筒にモチゴメを入れて、竹筒ごと火にかけて炊飯したもの。焦げた竹筒の外側はそぎ落としてある。食べるときに竹筒を開きやすいよう、叩いて割れめを入れてから渡してくれた。Photo_3
Photo_4
Photo_5竹筒の中でもっちりと炊きあがったおこわはなかなかおいしい。
いつ頃から作られているものなのか知らないが、モチゴメを食べる習慣があって、竹が容易に手にはいるところなら、どこでもありそうな気はする。
インドネシアでもっと長い竹をつかって、焚き火で炊いている写真を見たことがあったけれど。
今年の春に台湾に行ったとき、一つの目的はこの竹筒飯を見てみること。
台湾の北部にある観光地、烏來で売っている竹筒飯は、どんな竹を使っているのかと聞かれたけれど、竹の種類に詳しくない私には見当もつかない。でも、とりあえず、台湾の竹筒飯がどんなものなのかは、知っておいても悪くはないと思った。

» 続きを読む

| | コメント (0)

2009.11.14

カデナ

『カデナ』池澤夏樹 新潮社。
折しも、民主党政権となって初めての米大統領の訪日。本来ならば沖縄の普天間基地の移設問題は避けて通れない論点だが、双方の政治的配慮から先送りされたようだ。米軍基地の大半が集中する沖縄。嘉手納という漢字でなくカデナと書かれるタイトルを持つこの小説の舞台もそのカデナにある米空軍基地だ。時代はそのカデナからハノイに向けてB52爆撃機が飛び立っていた1968年。

主要な登場人物は4人。
フィリピン軍属とフィリピン人の女性の間に生まれたフリーダ・ジェイン。沖縄に駐留する空軍曹長。
フィリピンに住む反米活動家の母から軍の機密漏洩の指令を受ける。B52のパイロット、パトリックの恋人。
嘉手苅朝栄。戦前に一家でサイパンに移民、戦争で両親と兄を失い、米軍捕虜となって帰国。収容所で覚えた英語、運転の技術を生かして基地に出入りする運送業を興し、今は引退して模型飛行機屋の店主。趣味はアマチュア無線。
タカ。5歳の時に母が自殺、異父姉の民子とともに朝栄夫婦に育てられ、その後アメリカ人の養子として渡米するが帰国。ロックバンドのドラムス担当。
安南ことアナンさん。泡盛用のタイ米を商うベトナム人商人として戦前はサイパン、戦後は沖縄に住む。表向きは商人だが、沖縄在住の主目的は諜報活動。
このうちの、阿南さん以外の3人が交互に語り手となって、回想形式でお話が進む。
 沖縄を舞台にしているけれども、沖縄人らしい沖縄人はむしろ脇役で、サイパンやアメリカに住んだ経験から沖縄人としてのアイデンティティからちょっと距離を置いているような二人、そして外から沖縄にやってきた人々。つまり、作者の最近のテーマである「移動する人々」。

サイパン、フィリピン、沖縄の共通点は、太平洋戦争において被災地になったことと、アメリカの支配。そして、この小説内現在の起点である1968年には、アメリカはベトナム戦争の真っ最中だった。
サイパン、フィリピン、沖縄の体験が、今、ベトナムで再現されている・・・心に過去の戦争の傷跡をとどめる3人が、阿南さんに協力して今の戦争に小さなくさびを打ち込むささやかな活動をする・・・米軍の北爆の情報をベトナム側に漏洩するというスパイだ。それも素人のスパイ。

» 続きを読む

| | コメント (0)

2009.10.15

ゼロの焦点

今年は太宰治の生誕100周年であると同時に松本清張の生誕100周年でもあり、どちらの作品もこぞって映像化されている。松本清張のこの作品も、太宰の「ヴィヨンの妻」とならんで近く映画が公開されるものの一つ。主演女優たちの写真(広末涼子、中谷美紀、木村多江)が帯につけられた文庫本が平積みになっていて、つい手に取った。
 松本清張の本は、ずっと昔に何冊も読んだのだが、もうあらかた忘れてしまった。この本は、読み始めたときにほとんど記憶がなかったので、たぶん、読んだことがなかったのだろう。ところが、半分くらい来たところで、その後の筋がほぼわかってしまった。どうやら、ドラマ化されたのを見たことがあったようなのだ。Wikipediaを見てみると、1983年に放映されたバージョンのようだ。他のキャストは覚えていないのだけれど、大谷直子が出ていたことはうっすらと思い出せるから。

 こういったミステリーで筋書きを書いても仕方がないので、そうでないところの感想を書こう。
 作品の時代設定は昭和32、3年頃。主要登場人物の年齢はほぼ私の両親の世代に当たる。この作品を読んでいて感じるのは、この時代の空気と、今とはきわめて異なる時間感覚、人間関係などである。やはり、今から50年前となると、もう現代の話というよりは、異次元というか古典の世界に近い。けれど、文章に力があるからどんどん読めるのだ。

» 続きを読む

| | コメント (0)

2009.09.23

BALLAD 名もなき恋の歌

家族サービスで見に行った映画。劇場版クレヨンしんちゃんの実写版リメイクだそうで、映画の中では、しんちゃんは幼稚園児のしんのすけではなく、もう少し年のいった小学校低学年らしい「しんいち」。両親もみさえとひろしではなく、みさことあきら。この両親を演じるのが夏川結衣と筒井道隆。しんいちたちはタイムスリップして戦国時代の架空の国、春日の国に来てしまう。その国の領主が中村敦夫。お姫様が新垣結衣、幼なじみの強い武将が草彅剛。脇を固めるのが香川京子、大沢たかお、小沢征悦、斎藤由貴。お話は他愛ないものなのですが、いちおう、男の子の成長物語にもなっているのね。草彅君の演技はなかなかよくて、この映画そのものの撮影は例の騒ぎよりも前に完成していたようですが、これですっかり汚名返上ではないでしょうか。

» 続きを読む

|

2009.09.17

カフェ・ソウル

タイトルから韓国映画かと思ったら、日本映画でした。
たしかに舞台はソウルだけど、これをそのまま日本の下町に移し替えても全く違和感のない、老舗のお菓子屋さんの存続と家族の再生を描いた人情物のストーリー。
主演は日本でも人気の韓流アイドルのジョン・フン、日本側は斉藤工を配し、日韓の若者の友情ものにもなっている。

» 続きを読む

|

2009.09.15

女の子ものがたり

西原理恵子の自伝的作品が原作の映画。でもロケ地は出身地高知ではなく、愛媛県。

公式サイトで原作者が「女の子はお砂糖でできているのではありません。女の子はしょっぱい体験でできております」と語っていた、けっして甘くはない少女時代の回想。
マンガはマンガでよく売れているようだけれど、メタフィクションの形式をとった脚本もよくできている。

海辺の田舎町を出て、東京でマンガ家になったなつみが、スランプに陥り、少女時代の仲の良かった友達を思い出す。回想シーンの小学校時代、高校時代をそれぞれ別の俳優さんが演じている。なつみは黄色〜オレンジ、きいちゃんは赤系、みさちゃんは青〜緑系のものをいつも身に付けていて、この色が3人を象徴する記号のようだ。

この仲の良かった三人組がバラバラになる時が来る。
なつみはもともとこの町を出て行こうと思っていたとはいえ、きいちゃんに「この町から出て行け、そして二度と戻ってくんな」と言われる大げんかの末に、本当に出て行く。そして、きいちゃんともみさちゃんとも違う人生を歩む。

スランプの中で、故郷の町に戻り、友達の足跡をたどるなつみ。ふっきれたように「ともだちのことをマンガにしよう」と決めるところで映画は終わる。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.09

食客

 韓国映画。原作は韓国の人気マンガで、日本語版も出ているし、TVドラマも放映されたとか。
 最高の朝鮮料理の名手を決める料理コンテストの話が中心だけど、パフォーマンスとして見せる料理対決というのは、日本のテレビやマンガでもおなじみの世界。いちおう、祖父の代と現在の主人公の代の2代にわたるライバル関係の料理対決を軸に、いろんな料理の技法を見せ、味付けに日本の植民地支配がお汁粉を甘くするひとつまみの塩のように使われている。
 きっと、原作のマンガの方が物語としてはおもしろいのだろうなあ。ドラマも延々と細かいエピソードを重ねて描けるだろうけれど、2時間の映画に長編マンガを詰め込むのは難しかったようで、主人公とライバルの因縁など、よく人間関係がわからないうちにクライマックスを迎えてしまう。
 

» 続きを読む

|

«Castaway on the moon(キム氏漂流記)