花を売る乙女
北朝鮮映画。1972年。北朝鮮の国民的映画といわれている作品らしい。
タイトルだけは知っていたし、なんだか見たことがあるような気がしていたのは、「小さな中国のお針子」の中でこの映画を上映するシーンがあったからだ。
美しい歌声と共に街角で花を売る娘のシーンで始まる。もともとミュージカルとして作られた作品を映画化したということで、歌がひんぱんに使われている。
時代は日帝下の1930年。貧しい小作農の家庭に生まれた娘、コップニ。父は亡く、母は病を押して地主の家で下働き。ひもじさに地主の家の縁側に干してあったナツメの実を取ろうとした妹スンヒは、起こった地主の妻に熱湯を浴びせられて失明。その夜に起こった火事の放火犯と見なされた兄は逮捕されて遠方の地に送られる。コップニは母に薬を買おうと、山のツツジなどを取ってきて町で売るがなかなか売れない。
娘のコップニにだけは下女をやらせたくないという一心で身を粉にして働く母と、母の病を治してやりたい一心で花を売って金を作ろうとするコップニ。力尽きて母は死に、コップニは妹を隣家に預けて兄を訪ねていく。しかし、兄はすでに死んだといわれ、帰途につく。その間に地主の妻は幽霊の幻を見てうなされるようになり、その原因は、コップニを思って泣くスンヒに母親の霊がのりうつったせいだとして、番頭に命じてスンヒを亡き者にしようとする。番頭はスンヒを雪山の中に捨てる。コップニは九死に一生を得て家に帰り着くが、スンヒが地主のせいで行方不明になったことを知り、怒りのあまり地主の家に乗り込み、逆に縄をかけられ、閉じ込められてしまう。
一方、死んだと思われていた兄、チョルヨンは、獄を抜け出して革命軍に参加していた。仲間と共に、自宅に戻る途中で、山小屋を訪ね、猟師が山でスンヒを保護していたことを知る。スンヒを連れて帰ってきたチョルヨンは、コップニが地主にとらえられたことを知る。悪いのは日帝と日帝に操られている地主層。同じ村の百姓たちに祖国を取り戻すための革命を説き、地主の家に乗り込んでコップニを取り戻す。
ふたたび、町で花を売るようになったコップニ。花束には革命を説いた文書が添えられている。村人たちもチョルヨンについて革命を学ぶ。明るい山野を手に手を取って歩むチョルヨン、コップニ、スンヒの三きょうだい。重々しいナレーションと共に幕を閉じる。

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